成長期には骨もどんどん成長していっています。
骨づくりがしっかり行われることで、筋肉もついていき体も強くなっていきます。そのため、成長期においてはカルシウムを摂取して骨を強くするようにとよく言われるのですが、実際にはどんなふうに骨は作られていっているのでしょうか?

骨の働きについて

骨作りの前にまずは骨の働きについて解説していきましょう。骨は主に3つの働きをしています。

1.臓器を守る作用
頭蓋骨は衝撃に弱い脳を守ってくれており、肋骨は胸に受けた衝撃が肺や心臓に影響を与えないように守ってくれています。
このように、骨は大切な臓器をしっかり守るという役割を持っているんです。
2.体を支える作用
続いて、骨は体を支える作用も持っています。
骨は全身の部位によって形も大きさも違います。これを持って体を支えてくれています。
その中心と言えるのが背骨です。背骨は首からお尻にかけてを支えているとても大切な骨になります。
体をしっかり支えていくためには骨は欠かせない存在となっているんです。
3.カルシウムを貯める場所

カルシウムを摂取しようと言いますが、この摂取したカルシウムは99%が骨と歯に蓄えられます。残りの1%は血液の中といわれています。数字で見てもわかるように、カルシウムはほぼすべてが骨や歯に集中していることがわかるでしょう。

このように、骨には大きく3つの役割があるんです。
どれも私たちが健康でいるためには欠かせないものばかりとなっていますね。

骨も新陳代謝をおこなっている

新陳代謝といえば主にお肌の話になってくるように思いますが、実は骨も新陳代謝をおこなっているんです。つまり、古くなったものから新しい骨へと生まれ変わっているということになります。

骨はとても丈夫なものですが、より強くしていくために適度に生まれ変わっています。

この骨の代謝に必要となってくるのが、破骨細胞と骨芽細胞の2つになります。
字から見てもわかるように骨を破壊していくものと新しく生まれさせるものとに分かれています。
破骨細胞は古くなった骨を徐々に溶かしていくという働きを持っています。

一方の骨芽細胞は破壊された部分を元の形に戻して、新しく丈夫な骨へと変えていってくれます。

このように骨が生まれ変わっているために私たちは元気に活発に動けるようになっているんです。

子供と骨粗鬆症

骨粗鬆症といえば高齢の方がかかるイメージがあるでしょう。
骨粗鬆症は骨の代謝がうまくいかなくなり、骨が破壊された後に修復できなくなってきます。老化と共に代謝が悪くなっていくのも関係しています。よって年を取った人に多く見られる症状となっているんです。

しかし、子供のうちの過ごし方によって高齢になった時に骨粗鬆症を発症するかどうか変わってくるということが最近になって明らかになりました。
子供の時に一番骨が成長するために、ここでいかに過ごすかが重要になってくるんです。成長期の子供はというと、年間骨量が3~4%増量しています。
女子については11~15歳に、男子については13~17歳の頃をピークに骨量が増加していきます。このピーク時の骨量が多ければ多いほど、大人になってから骨粗鬆症になりにくいということが言われるようになってきました。

こうしてみると子供のときの骨の増加具合によって将来骨粗鬆症になるかどうかがわかるために、成長期の骨はしっかりと対策を取っていく必要があるんです。

骨粗鬆症を防ぐために成長期にできること

最後に、骨粗鬆症を予防していくために成長期にどんなふうに過ごしていけばいいかを紹介しましょう。

カルシウムをたくさん摂取する

カルシウム摂取については子供の頃からよく言われますが、特に成長期の骨が成長しているときにはたくさん摂取していくようにしましょう。
これは食べ物で摂取していくことができるので、成長期には食事内容もしっかり内容の濃いものにしていくといいでしょう。カルシウムが豊富な食べ物といえば牛乳や豆腐、野菜、小魚になります。牛乳は手軽に飲めるので冷蔵庫に常備しておくといいです。

運動をしっかりとする

成長期というと学校でも体を動かす部活などがあると思いますが、しっかりと運動をしていきましょう。運動をしている人としていない人とでも、骨の密度などは異なってきます。
健康的で丈夫な骨にするためには運動も必須ですね。好きなスポーツから始めてもいいので体を動かしていきましょう。

ホルモンの分泌を促す
ホルモンの働きは私たちの体作りに大きく関係しています。
成長ホルモンはみなさん聞いたことがあると思いますが、これは夜眠っている時にたくさん分泌されます。そこで、しっかりと夜は睡眠を取るようにしましょう。よって、成長期の夜更かしは厳禁です。早寝早起きを心がけてたっぷりと寝るようにしましょう。

骨の状態は成長期のときには特に気にすることもなく過ごしていることでしょう。
しかし、それが何十年後かに骨粗鬆症となって骨が弱っていくことを考えると、今からできることを始めておいた方がいつまでも元気に動くことができるでしょう。