2016年6月26日、アメリカで行われたコパ・アメリカ決勝、前回大会と同じ顔合わせとなったアルゼンチン対チリ戦。
10対10になり、120分でも決着がつかずPK戦へ、結果4-2でチリが大会連覇を達成しました。
注目は今大会、優勝候補の一角だったアルゼンチンが、そして代表戦での国際大会ではいまだ無冠のリオネルメッシが悲願の初優勝なるか、だったのですが結果はまたも敗戦。
クラブチームでは数多くのタイトルを手にし、バロンドールを何度も受賞するなど、世界中のサッカーファンを魅了し続けてきたメッシ。
その実力は誰もが認めるものだとは思いますが、今回で主要国際大会決勝では4度目の敗戦。
いかに代表でのタイトル獲得が難しいか、そして運が必要かという事を痛感させられる結果となりました。
そんなメッシですが昨日27日に代表引退を発表しました。現在29歳のメッシにはアルゼンチン国民はもちろん世界中のサッカーファンが2018年ロシアワールドカップでの活躍を期待していたのではないでしょうか。
このニュースにいち早くコメントを出したのが、現職アルゼンチン大統領のマウリシオ・マクリ。
いちサッカー選手のコメントに対し現職の大統領が「メッシに連絡を取り、思いとどまらせる」
とコメントを出すとは、いかにアルゼンチンという国がサッカーを愛しているかがわかりますね。
また1986年メキシコワールドカップを優勝に導いたご存知、マラドーナも「彼は世界チャンピオンになれる」とコメントし、メッシに責任を負わせるアルゼンチンサッカー協会を痛烈に批判しました。
身長169センチの天才が誕生するまで
世界中のサッカーファンを魅了し続ける天才メッシ、そのメッシが低身長症だったということはご存知の方も多いと思います。正式名称は「成長ホルモン分泌不全性低身長症」。
この病気は成長ホルモンの分泌異常によることが原因で、治療をせずに放っておくと成人しても身長が150センチ程度までしか伸びないと言われています。
治療法としては成長ホルモンの投与が一般的で、一定の治療を受ければその効果はかなり期待でき、実際リオネルメッシ選手も169センチまで身長をのばすことが出来ました。
しかしメッシ選手も受けたこの治療には莫大な費用が掛かります。
実際メッシ選手が少年時代に所属していたアルゼンチンのクラブチームは、メッシ選手の実力は認めていたもののその高額な治療費を払うことを拒否し、獲得を検討していたイングランドの名門、リバープレートも獲得を断念しました。
そこには治療費だけではなく、将来170センチにも満たない選手が大成することはないだろうというクラブ側の判断があったことも否定できないでしょう。
もともと家庭は貧しく、当時メッシ選手の父親は失業中という事もあって、自力での治療は困難な状況。
そこで父親の下した決断が、スペインの名門FCバルセロナの入団テスト。
当時の監督は彼のプレーをみて、即入団を決め、治療費も全額負担することを約束しました。
「輝き続ける天才は親の信念が生んだ」
バルセロナでプロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせたリオネルメッシ、その活躍はご存知の通り。
数々のタイトルを獲得し、世界最高の選手の一人として輝き続けています。
もし、父親がバルセロナの入団テストを受けさせるという決断をしていなければ、いまのメッシ選手は存在していなかったことでしょう。
よく「子供の可能性は無限だ」という言葉を耳にします。私も子供は可能性のかたまりだと思います。
ただ、もし自分がメッシ選手の父親だったら同じ決断ができたでしょうか。
明日食べるお金もないのに、受かるかどうかわからないスペインに自分の子供の可能性を信じて借金をしてまで渡航することが出来たでしょうか。
親は自分の物差しで子供を測ろうとします。
私の子どもたちも今サッカーに打ち込んでいます。子どもたちは純粋にプロのサッカー選手になれると信じて毎日努力しています。
そんな子供たちの純粋な気持ちを、可能性を信じて見守ってあげるのが私たち親が出来る最高の教育なのではないでしょうか。
そんな気持ちをメッシ選手のお父さんから教えてもらった気がするのは私だけではないのでしょうか。