ぽっちゃりしたお子さんを見かけると、「コロコロしていてかわいいな~」なんて思ってしまいますが、肥満児または、肥満児予備軍と診断されたら、要注意です!そもそも、肥満児とは、体重が、身長からみた年齢における体重の平均値より20%以上多い小児とされています。肥満児はあらゆる病気を併発するだけでなく、大人になっても肥満のままになりやすくなってしまいます。今回は、身長の伸びとどう関係があるのか見ていきましょう。
1.肥満児の身長が伸びづらい理由
肥満児の身長が伸び悩む理由は、大きく二つあると言われています。
まず一つ目は、成長ホルモンが上手く身長を伸ばす事に使われていない、と言う事です。
実は成長ホルモンには背を伸ばすだけでなく、脂肪燃焼と言う作用もあり、私たち大人でも持っているホルモンです。
そこで、肥満児の場合背を伸ばすより、成長ホルモンは、健康に一番良い体になろうと脂肪を燃やす方に働いてしまうんです。これが、肥満児は背が伸びづらくなる第一の理由です。
2つ目は、思春期を早く迎えてしまうため、と言われています。思春期は、女の子なら初潮、男の子なら声変りが思春期の目安です。
一般的に、身長は思春期を迎えるまでがぐ~っと伸びる期間です。しかし、太っていると皮下脂肪が沢山ついていますよね?この皮下脂肪にある酵素が、実は骨の成熟を促してしまい、早い段階で骨が完成してしまいます。
また、体も成熟しているので、脳はもう大人と思ってしまうんです。こうして、せっかく一番伸びるであろう時期を早めに終了してしまう事が、肥満児の身長を伸び悩ませる第二の理由です。
因みに、両親の喧嘩が多い家庭でも、お子さんは思春期を早く迎えると言われています。愛情不足も低身長になりやすいのは、やはり思春期を迎える速さに関係がありそうですね。
つまり、対処法としては、なるべく思春期を遅く迎える事。その為には、肥満にならない様にする他に、睡眠時間を十分確保する、愛情を注ぐ事も同じくらい大切です。
2.肥満児にならないために
運動する事はもちろんですが、すでに肥満児の場合、体を動かすこと自体を嫌がる場合があります。しかし、子供は私たちより何倍も新陳代謝を繰り返し、小さな体で大きなエネルギーを消費していますので、ダイエットには適したからだと言えます。
ですから、私たち大人がダイエットする時のような運動ではなく、日常で少しずつ行いましょう。運動嫌いのお子さんには、運動させていると思わせないように、お買い物に一緒に行き歩かせたり、と何かの「ついで」、「ながら」を念頭にすると良いでしょう。
また食事面では、高タンパク、低脂肪に。例えば、お子様が好きな唐揚げをモモ肉ではなく、胸肉にしたり、ハンバーグは豆腐を加える、具材を大きめに切って、よく噛むことで満足感を与えるなど、これも徐々にストレスを与えない方法を考えて見ましょう。
こうしてみると、かなりお母さんの努力が必要になってきますが、大切なお子さんの限りある大切な成長期ゆえです。
3.まとめ
太っているお子さんは、思春期前には他のお子さんより大きい子が多いため、身長の伸び悩みに気が付くことが遅れがちです。
しかし、早く生活習慣を正すことで、より大きくなってくれます。子供の肥満は生活習慣病などの疾患にも直結してしまう事もあるので、早めの対策が必要になってきます。
それには、お母さんのちょっとした工夫と努力が鍵になっていきます。
お母さんもストレスにならないように、ちょっとずつ出来る事から標準体重を目指しましょう!