そしてアメリカでは南米選手権がスタートしハイレベルな代表戦が世界各地で行なわれています。
われらがハリルジャパンも3日に行なわれたキリンカップ初戦でブルガリアに7-2で快勝し、7日に世界ランク20位と格上のボスニア・ヘルツェゴビナと対戦しました。
結果から言えば2-1での敗戦。
日本代表は大黒柱の香川真司と本田圭佑の二人をケガで欠いていた事を考えれば、結果だけを見れば善戦したのではと思うかもしれません。
しかし、対戦相手のボスニア・ヘルツェゴビナも主力組が欠場し、実質2軍だったため、勝てない試合ではなかったと思います。
一部メディアではテクニックのある主力選手が欠場したことでパワープレーを全面に出してきたため、
この手のスタイルを苦手とする日本代表が結果的に相手を崩せず敗戦。などと書かれていました。
しかしボスニア・ヘルツェゴビナの選手たちのプレーは、見ていて決してパワープレーだけのチームという印象はありませんでした。
身長の高い選手でありながら、テクニックも兼ね備えており、試合運びもさすがヨーロッパのチームと思わせるものでした。
今回対戦したボスニア・ヘルツェゴビナの選手たちの平均身長は188センチ。
実に10センチ近く大きな選手との対戦でした。
日本代表の選手たちは、度々フィジカルコンタクトで苦戦し、ピッチ上で吹き飛ばされるシーンもありました。
そんな中、FWの岡崎慎司選手の強さは際立っていました。
みなさんも記憶に新しいと思いますが、今シーズンからイングランド・プレミアリーグのレスターシティに
移籍し、奇跡の優勝を果たしたチームの主軸としてチームに貢献した岡崎選手。
この日の試合ではショートはゼロ、後半24分に途中交代し、FWとしては結果を残せませんでした。
しかし後半17分のプレーは正直、度肝を抜かれました。
パスを追いかける岡崎選手と相手GKが接触。
トップスピードで走る岡崎選手の勢いも加味しなければいけないと思いますが、身長190センチ、体重95キロの相手ゴールキーパーを身長174センチの代表選手の中でも5番目に身長の低い岡崎選手が吹き飛ばしたのです。
「肉体改造によって手に入れた鋼の体」
今年からプレミアリーグに移籍した岡崎選手は、昨年契約したパーソナルトレーナーの杉本龍勇氏の指導でプレミア仕様の肉体改造を行い、74キロだった体重を80キロまで増量し、まさに鋼の肉体を手に入れました。
外国人選手と対戦する日本人の中には、その圧倒的なパワーの違いを痛感し、肉体改造をする選手が多数います。
メジャーリーグのダルビッシュ選手などは成功例ですが、多くの選手がパワーと引き換えに日本人の特性でもある俊敏性を失い、思うような成績を残せなくなっているのも現実です。
岡崎選手のようにスピードは落とさず筋肉を増やすには、やはり少なからずリスクが伴います。
しかしトレーナーとの二人三脚によって肉体改造に成功した岡崎選手はフィジカルコンタクトの激しいプレミアリーグでも決して当たり負けしない体を手に入れ日本人では成功できないと言われたプレミアリーグで見事に結果を残しました。
来年にはさらにマークが厳しくなり当たりも激しくなることが予想されますが、リーグ戦はもとよりチャンピオンズリーグでの岡崎選手の活躍を期待したいですね。