スポーツの世界には、常に記録と戦っている人が多く存在します。
より速く、より遠くに、常に記録を意識して、日々のトレーニングに邁進しています。
先ごろ行われたオリンピックでも、数々の素晴らしい記録が誕生しました。
そんな中、ロシア選手のドーピング問題は、みなさんの記憶にも新しいと思います。
北京大会で金メダルを獲得した中国の重量挙げの選手からも、禁止薬物が検出され、8年もたって、金メダルがはく奪されました。
中国選手から検出された成長ホルモン分泌促進成分とは
北京オリンピックの重量挙げ選手から検出された成分は、成長ホルモンの分泌を促す薬でした。
この成長ホルモンとは成長期の子供の身長アップに欠かせないホルモンです。
多くの子供はこのホルモンの分泌によって、順調に成長していきます。
しかし、先天的にホルモンの分泌が、正常の子供より少ない子供は、低身長症という成長障害の疑いがあります。
ほとんどの親御さんは、「そのうち伸びる」と思っていて、成長期を迎えてもそのままにしてしまい、結果的にあまり伸びずに終わってしまいます。
この低身長症の治療は早ければ早いほど効果を発揮し、15歳までは保険適用のため、医療費がかかりません。
しかし、スポーツを真剣に取り組んでいる子供は、大きな代償があります。
低身長症の治療はドーピングと同じです。
低身長症の治療は、毎日成長ホルモンを注射します。
結果として、ほぼ100%に近い確率で子供は成長していきます。
考えられるリスクとして、体内に薬剤が残ってしまい、それがドーピング検査に引っかかってしまいます。
親御さんとしては、子供には大きくなってほしい。
しかし、将来の事を考えると躊躇してしまいますよね。
スポーツの世界は身長が高ければ有利に働くことが多く、小さい選手が活躍することは、難しいのが現状です。確かに身長が低くても活躍している選手はいますが、やはり大きいに越したことはありません。
身長が低いことが心配なら、生活習慣を見直しましょう
お子さんの身長が気になる場合、まずは生活習慣をしっかり見直しましょう。
バランスのとれた食事を摂り、しっかり睡眠時間を確保し、そして普段のスポーツをがんばる。
これを普段から気を付けてあげることが重要なポイントです。
そして前出の北田先生いわく、
「栄養面が心配な場合は、サプリメントなどで補うことも良いですね。ただし食品添加物が入っているサプリメントはNGです。」
将来の夢がプロスポーツ選手を目指している子供さんは、普段の生活習慣を見直し、そして足りない栄養はサプリメントなどで補っていくことが、今できる最善の方法ではないでしょうか。
北田内科クリニック 北田雅久院長
岐阜県で低身長の治療をされている、医学博士で北田内科クリニック院長の北田先生いわく、
「低身長症の治療は早くするべきです。
しかしスポーツをしている子供は注意が必要です。
その大きな理由は将来、国際大会などに出た場合、ドーピング検査で陽性反応が出てしまいます。」