家庭環境は子供には大きな影響を与えますが、特に成長期においては体の成長を妨げてしまうおそれもあります。仲が良い家族にこしたことはないですが、最近ではいろんな家庭環境の中で育っている子供がいます。
では、具体的に家庭環境の悪化は子供の成長にどのような影響を与えるのでしょうか?

親の様子を子供はしっかりと見ている

子供は親の様子をよく観察しているものです。
子供の前では喧嘩をしていなくても両親の仲があまり良くないのかなというのは子供は察するものです。
たとえば親の離婚や夫婦喧嘩は特に子供に大きな影響を与えてしまいます。
家庭というのは子供にとっては安心できる場となっています。
それが、両親の仲が悪くなっていく、喧嘩がいつも絶えないということになると心も体も休めることができなくなっていきます。その結果、体が思うように成長しないという悪循環に陥ってしまうのです。

また、両親の離婚は今まで仲良く暮らしていた家庭がまるで崩壊していくような印象を子供に与えます。
楽しかった日々が終わってしまい、両親が離れ離れになってもう笑って過ごすことはないと思うと、精神的なストレスは計り知れないものになっていきます。
両親の問題とは言え、子供がいるからには子供にも大きな影響が及ぶことを大人はしっかり理解しておかないといけません。

親からのストレスやプレッシャーも成長の妨げになる

両親の不仲や離婚が子供に大きなストレスなどを与えることはみなさん想像もできると思いますが、今度は親が子供に与えているストレスやプレッシャーも成長の妨げになることを知っておきましょう。

最近では勉強に力を入れている親御さんも多いと思います。
小さな頃から受験体勢に入り、家庭の中でもしつけを厳しく勉強もしっかりとさせている方もいるのではないでしょうか。子供が遊びたいと思ってもそれをすべて否定してしまい、塾通いに力を注いでいる人もいることでしょう。

しかし、このような環境では子供に悪い影響が出てきます。
子供は外でいっぱい遊ぶものというイメージがありますが、やはり体をしっかり動かして子供同士の世界で多くのことを学んでいくことが必要です。そのような貴重な時間を親が奪ってしまっていることにもなるのです。

これではストレスとプレッシャーばかりが溜まっていき、子供の成長が遅い、身長がなかなか伸びないという症状が出てくるのです。特にストレスは多大な影響を及ぼすと言われています。
夜眠っているときに活発に分泌される成長ホルモンですが、朝に近づくにつれて徐々に分泌量は少なくなっていっています。その代わりに副腎皮質ホルモンが今度は働き出すのですが、ストレスに対処する力も持っています。日中活動している中で子供はいろんなストレスを受けていると言われています。
これに副腎皮質ホルモンが適度に対処してくれているわけですが、家庭の中でもストレスにさらされているようなことがあれば副腎皮質ホルモンばかりが働いて成長ホルモンがうまく分泌されなくなってしまいます。

たとえば、元から小食の子供に成長期だからもっと食べなさいと無理にでも食べさせていると、子供はこれを大きなストレスとして感じ取ってしまいます。
そうするとせっかく食べたものが身につかず、よって身長にも影響が出てくるということになってしまうのです。親が無理に何かを強いることは子供にはストレスになってしまうので、上手に子供を誘導させられるようになると良いでしょう。
そして、子供の話をしっかり聞いてあげて一緒に過ごす時間を作ることも大切です。

ストレスから寝つきが悪くなる

ストレスが子供の成長を妨げてしまうのは本当に防いでいかないといけません。
知らないうちに子供は敏感なのでストレスを感じ取っているものです。
そして、このストレスは寝付きを悪くしてしまうという特徴を持っているので、成長期に必要な質の良い睡眠を取ることができなくなってしまいます。寝つきが悪くなるということは、眠っている間に分泌されるはずである成長ホルモンもしっかり分泌されないままになってしまいます。
よって、ストレスをできるだけ溜めないようにしないといけないのです。

身長は特に成長ホルモンの働きが欠かせません。成長期に思うように身長が伸びないというときは日頃ストレスを溜めがちになっていないか、睡眠の質が悪くなってしまっていないかという点を考えてみてもいいでしょう。ストレスの原因がわかれば対策も取ることができます。

ストレスから無事に開放されると寝つきもよくなり、成長ホルモンもしっかり分泌されるようになります。そうすれば、自然と身長も伸びていくでしょう。
家庭環境やストレスは子供に多大な影響を与えてしまうことがとてもよくわかりますね。

さまざまな家庭環境の中で過ごしている子供がいますが、どんな家庭環境であっても親が子供のことを第一に考えてあげること、そしてストレスを溜めないように家庭で温かく見守ってあげることが大切なのです。