体の成長はその時期にどんなものを食べたかによっても大きく左右されます。
食生活は生きていく上で必須であり、その内容が成長ぶりにはっきりと表れてくるといえます。
では、今と昔では食生活はどのように変わってきたのでしょうか?それに伴って成長についてもどんな変化が出てきたのでしょうか。
1.平均身長が低かった、昔の食生活
まずは、昔の食生活から見ていきたいと思います。
日本人にとって食事の際の主食といえば白いご飯だと思いますが、昔は欠かせないものでした。
食事の度に必ず登場する主食でした。白いご飯があっておかずや汁物があるというのが定番でした。
そして、おかずには大豆を使ったもの、野菜、魚、肉と国内で生産されているものを上手に活用していました。そして、味付けには味噌やだし、醤油が利用されていました。
だしの味が利いた素朴な風味の食べ物が多かったといえます。
この素朴な食事が定着したのが、ちょうど昭和50年ごろですが、この後の昭和58年には私たちの望ましい食生活として、以下の項目を制定しました。
・カロリーの摂りすぎに注意して適正な体重の維持をすること
・さまざまな食べ物をバランスよく食べること
・お米の大切さを知り、しっかり食べること
・牛乳も適度に摂取すること
・脂肪、特に動物性脂肪の摂りすぎには要注意
・塩分と糖分の摂りすぎにも注意
・緑黄色野菜や海藻を積極的に食べること
・朝食をしっかり食べること
このように、8つの項目が作られたのです。
どれも私たちの健康を維持していく上で大切なことであり、好きなものばかり食べていてはいけないこともわかります。
質素でありながらも素材を生かした食事でバランスよく栄養を摂取していくことが大事だとされています。
2.平均身長が170cmを超えた現代の食生活
では、今の食生活はどうなっているでしょうか。
まず、主食は白いお米以外にさまざまなものが増えました。
その代表格といえば小麦を使用したパンでしょう。現代ではいわゆる食の欧米化が進んでいます。
ここから、お米の消費も少なくなってきているという結果が出ています。
そして、脂質を多く摂取するようになってきています。
脂身の多い肉やバターなどの乳製品が周りにあふれるようになりました。
パンにもバターは含まれていますし、和食よりも洋食のほうが好きという人も増えてきました。
よって、メニューも脂質を多く使ったハンバーグやスパゲッティといったものを好むようになってきたのです。
また、お菓子にいろんなものが登場するようになりました。
子供が病みつきになるような甘い味や濃い味のものがたくさん出てきて、食事よりもお菓子を好む子供も増えてきました。
ここから、生活習慣病と言われている肥満や糖尿病を患う人も増えつつあります。
毎日の食生活がどれだけ私たちの体に影響を与えるのか、昔と今の食事を比べただけでも一目瞭然となっているのです。
3.食生活は子供の成長にどんな影響を与えるのか?
昔と今の食生活を比較してきましたが、本当に体に良いのは質素で素朴な食事であることがわかるでしょう。そして、日本人が食べてきた食事は健康を維持する上ではきちんと理にかなったものでもあったのです。
そのため、人の成長においても肥満体型の子供は少なく、適度に筋肉がついて活発に活動できる丈夫な体の子供が多かったです。
しかし、最近では肥満と診断される子供も増えてきて、体型にも差が大きく出てくるようになりました。
食生活が豊かになることで食べ物に不自由なく暮らすことができますが、その分病気のリスクも上がっていくということが言えます。
肥満体型になると自然と運動不足になるので、ここから筋肉量が低下したり身長が思うように伸びなかったりと成長期に悩みも生じるようになります。
食の欧米化や飽食が問題になっていますが、食べる内容によって成長期の体は直接影響を受けやすいです。
体が成長しようとしている時には、特に栄養バランスを意識した食事が大切になってきます。
特に身長を伸ばしたい場合には、タンパク質、カルシウム、ビタミン類を積極的に摂取していくようにしましょう。
これらを満遍なく摂取していくためには、ご飯をメインにおかずで魚や肉、野菜を上手に食べていく必要があります。そして、部活や体育でしっかり体を動かす、睡眠はたっぷりと取るといった生活も規則正しくしていくことで、成長期にしっかり体を成長させることはできます。
食べ物は体の栄養となるのでどうしても成長に直結します。大人になってもっと成長したかった・・・とショックを受ける前に成長期の過ごし方を振り返ってみるとよいでしょう。
そうすると、自然と食べ物にも注意しようという気持ちが出てきます。
昔と今では時代が変わるとともに食事内容も変わってきました。
おいしいものが増えたのは良いことですが、それがすべて体にいいものとは限らないということはしっかり覚えておきましょう。
そのうえで上手にコントロールしながら成長期の食事を考えていく必要があります。