2016年3月13日、100年以上の歴史あるバトミントンの国際大会、全英オープンで日本人39年ぶりの優勝という快挙を成し遂げた選手がいます。

“奥原希望”

彼女の話をする前に、この大会がいかにすごい大会かご存じない方もいらっしゃると思います。
バトミントンにはスーパーシリーズプレミアというカテゴリーの国際大会があります。

そのスーパーシリーズプレミアの中で、最も歴史ある国際大会で、世界中のバトミントン選手たちがオリンピックの金メダルと同じくらい、優勝したいと思っている大会なのです。

出場人数に制限のあるオリンピックと違い、世界ランク上位選手がこぞって出場するため、オリンピックで金メダルを取るよりも優勝することが難しいと言われている、本当に厳しい大会で、世界ランク6位の日本人奥原希望が見事優勝したのは本当に驚かされました。

北京オリンピックなどで活躍した元日本代表の潮田玲子さんも
「まさか日本人がこの大会で優勝するとは、本当に驚きました。彼女もここでの優勝は凄く自信になったはずですし、リオ・オリンピックでの金メダルもかなり現実味が帯びてきました」
と興奮気味にインタビューに答えていました。

世界ランク上位選手の中で、一番身長が低い!

奥原の現在(7月6日現在)の世界ランクは6位。ダブルスでは日本の高橋礼華、松友美佐紀ペアが世界ランク1位ですが、シングルスでは日本人最上位で今後の活躍次第ではさらに上位にランクされることも十分可能な位置にいます。
その奥原、身長がなんと156センチ!!世界ランク上位10人の中ではダントツに身長が低い選手なのです。
ちなみに奥原よりもランキング上位選手の身長は

世界ランク1位 カロリーナ・マリン(スペイン) 身長172センチ
2位 王儀涵(中国) 身長178センチ
3位 李雪芮(中国) 身長174センチ
4位 ラチャノック・インタノン(タイ) 身長168センチ
5位 サイナ・ネワール (インド) 身長165センチ

いかに奥原の身長が小さいかがわかります。
彼女の武器は「柔らかい身体」。
日々ストレッチを欠かさず、いざ試合になればとにかく拾いまくるプレースタイルは相手選手にとっては本当に戦いにくい選手。
身長が低いことが不利な競技のバトミントンでの彼女の活躍は、元来身長が高くない日本人の、特に少年少女に多くの感動と勇気、そして可能性を感じさせてくれたのではないでしょうか。

「リオでも東京でも金」

現在奥原は、年間200日以上にも及ぶ海外遠征の真っただ中。
バトミントン選手としては職業病とも言える、両膝の半月板を負傷しており、試合でも結果が出ていません。

ただ、あくまでも照準はリオ。
今はあまり無理をせず、大目標である”オリンピックでの金メダル”に向けていい準備をしてもらいたいものです。

この10年で日本のバトミントン界は飛躍的に成長しています。
奥原以外にもメダル候補がたくさんいます。この夏はリオから嬉しい結果がたくさん日本に届くことを期待したいですね。