身長を伸ばすために欠かせないものとして「ホルモン」があります。ホルモンの働きとは、子供の身長を伸ばすためだけではなく、私たち人間が、生きていくうえで欠かせないものなのです。私たちの身体には3兆2000億個の細胞があると言われています。この細胞の働きに欠かせないものが、およそ100種類あると言われている、ホルモンなのです。中でも、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンの3つが、成長期を迎えた子供の身長を伸ばすためのは、欠かせないものなのです。ここではそんな「ホルモン」について、詳しく解説していきます。
成長ホルモン
成長期の子供が、身長を伸ばすために欠かせないホルモンの一つが、成長ホルモンです。成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されるホルモンで、成長期の子供が、身長を伸ばすためには睡眠が大切、と言われるのもこのためです。
成長ホルモンは、191個のアミノ酸からできていて、成長期により多くの成長ホルモンが分泌され、思春期以降徐々に減少していきます。
主な働きは、成長と代謝のコントロール。最近はアンチエイジングの世界でも見直され、エステやスポーツジムでもよく聞かれるようになっています。
身長の伸びは、幼少期にこの成長ホルモンが骨端にある軟骨細胞を分裂・増殖させることにより骨を伸張させます。筋力トレーニング中、トレーニング後、眠ることにより分泌されます。
他にも成長ホルモンは、私たちが食べたものをエネルギーに変換してくれるので、肥満予防や、髪、肌、爪などを健康に保ち、更に筋肉を成長させます。ですから、お子様だけでなく生涯にわたって重要な働きをし続けているのです。
甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンは全身の代謝を司り、呼吸量やエネルギー生産量に関わるアミノ酸誘導体のホルモンです。また、カルシウムの代謝に必要なカルシトニンを分泌するため、発育時には成長ホルモンと並び、とても重要なホルモンです。
甲状腺ホルモンが不足すると、成長が遅れるだけでなく、脳の発育や代謝が上手くいかなくなります。また、多すぎても代謝が異常になされ、疲れやすくなったりします。
この甲状腺ホルモンは「ヨウ素」と呼ばれる物から作られますが、2011年の原発問題でこの「ヨウ素」に聞き覚えがある方も多いと思います。甲状腺ホルモンは代謝を司りますから、積極的に元である要素を含む薬や食品で排出を促すためです。しかし、この「ヨウ素」は昆布やひじきなどの海藻類に多く含まれているだけでなく、成人でも1日の必要量が0.09g程ですので、日常生活でヨウ素不足を心配する必要はないでしょう。
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性ホルモン
性ホルモンは、思春期に成長ホルモンへ働きかけ急激な身長の伸びに重要な働きをするとともに、体の成熟を高めるため骨も成熟してしまいその成長を止める、背の伸びに関しては相反する作用を持つホルモンです。
性ホルモンには、男性ホルモン、女性ホルモンがあります。
男性ホルモンは男性をより男性らしい骨格し、女性を丸みのある女性らしい体つきにする働きをします。
しかし、分泌量は違えども男性も女性ホルモンを、女性も男性ホルモンを持っています。
この性ホルモンが早いうちに分泌され始めると、いわゆる「早熟」となり、最終身長が低いままになってしまいます。
皆様の周りでも、小学校の頃背が高かったのに、大人になってから会ったらそうでもなかった、という友人は居ませんか?
つまり、この性ホルモンの分泌を少しでも遅らせることが身長をより伸ばす鍵といえるでしょう。
性ホルモンが分泌を遅らせるには、成長ホルモン同様睡眠が大きく関わっています。
日本人の子供の睡眠時間が少ない事は、睡眠は量より質!質が上がると増える甲状腺ホルモンの本当の働きとは!?でも触れましたが、睡眠時間が多い欧米の方が思春期の訪れが遅いのです。
欧米の方は、顔立ちがはっきりしていて大人びて見えるので意外ですよね。
また、肥満や過剰な栄養も早熟の原因と言われています。
平成に入り日本人の平均身長は停滞していますが、外食や洋食中心と言った日本人の体では消化しきれない栄養も関係していそうですね。
一番身長が伸びた1975年辺りは、和食中心に適度に洋食を取り入れていたそうです。
和食の低カロリーに洋食の高たんぱくなおかずをプラス一品ぐらいが理想と言えそうですね。
身長を伸ばすためのホルモンの役割まとめ
子供の身長を何とか伸ばしたいと考えているご両親は多いと思います。食事の好き嫌いや夜更かしなど、ついつい小言を言ってしまう事もあるのではないでしょうか。
しかし、親が思うほど子供は身長を伸ばしたいとは考えていない場合が多く、お互いストレスを抱えてしまう事になってしまいます。
身長が伸びる要因はホルモンの働きです。ホルモンは私たちがもともと持っているもので、人それぞれ個性があります。
親から子へしてあげられることは、個性に対して焦らない事。
親の焦りはお子さんへのプレッシャーへと繋がります。(関連記事:ストレスが身長の伸びを妨げる!?)
身長とストレス、子供の個性を理解したうえで、食事や睡眠など出来る事から取り組みましょう。